『がっこうぐらし!』は『琴浦さん』さんと同じ道を辿るのか?

がっこうぐらし! 1巻 (まんがタイムKRコミックス)

 夏アニメの時期に入ってからしばらく経ちます。そしてたくさんある作品の中でも、取り分け視聴者に多大な精神的ショックを与えたアニメがあり、その名も『がっこうぐらし!』といいます。

  ニコニコ動画では公開から4日で100万再生を記録し、各方面ではその内容や伏線に関する考察が数多くなされています。

 この『がっこうぐらし!』が萌えアニメの皮を被ったサバイバル・ホラーであることは、私自身前々から知っていたので、さほどダメージはありませんでした。しかし、前情報の無かった難民たちへの影響は凄まじかったようで、放送後にその心の傷を癒やすために『ご注文はうさぎですか?』の再生数が上がるという珍現象が起きました。癒されるつもりが返り討ちにあったのですから、その傷の深さは計り知れません。

 1話の時点でこれだけ騒がれ、人々の脳裏に刻まれた作品も珍しいと思うのですが、私は「このほのぼのとシリアスのギャップでインパクトを生む感じ…あれ、どこかで…」と既視感を覚えました。なんだっけな…あ、そうだ、琴浦さんだ。

 『がっこうぐらし!』の1話が日常系萌えから狂気ホラーへの落差ならば、こちらは鬱屈した灰色の世界からラブコメへの昇華、という形で視聴者に衝撃を与えました。

 この『琴浦さん』、最初の掴みこそ衝撃的ですが、話はとてもオーソドックスです。人の心が読める主人公が人間関係を紡いでいく様を、ラブコメとシリアスを混ぜながら丁寧に展開させています。ですが、人によってはこのストーリーを"地味"や"失速"と捉える人もいるようで、そうなると1話の掴みが浮いて見えてしまいます。

 もちろん1話から印象付けをして、継続的な視聴を促すのは良いのですが、危惧されるのは『がっこうぐらし!』が『琴浦さん』のように"出落ちアニメ"と思われてしまうのではないか、ということ。1話放送の現段階で決めつけるのは早計ですが、少し嫌な予感がして、この記事を書いている次第です。最終話放送後、この危惧が杞憂に終わっていることを、私は切に願います。

 最後に、『がっこうぐらし!』のOPテーマ、「ふ・れ・ん・ど・し・た・い」を載せておこうと思います。


TVアニメ「がっこうぐらし!」OP映像 - YouTube

 ふれんどしたい…ふれんど死体…あ…(察し)。