砂の中で眠る
駅前の大通りを歩いていると、夏の風が頬を撫でた。夕食の香りに混じり、クチナシの甘い芳香が鼻孔をくすぐった。額に滲んだ汗をハンカチで拭って、私は自宅へと向かった。
大通りを五分ほど歩き、路地を一本曲がると、街灯の疎らな道に出た。そして、私はこの道を進むたびに陰鬱な気分になった。道の途中にある、大きな廃ビルのせいだ。
巨大な生き物の抜け殻を思わせるその廃墟は、たびたび怪談の噂が立っていた。同じクラスだった友人が昔、駅前のファストフード店で話していたことがある。深夜、同僚と浴びるほど酒を飲んだ禿頭のサラリーマンが、寿司折を片手に、通りを一人で歩いていたそうだ。そしてふと右手にある廃ビルに目をやると、三階の窓辺に立つ若い女を目撃したそうだ。女の姿はゆらゆらと揺れて、サラリーマンが何度か瞬きをすると、いつの間にか消えていたらしい。酔いが覚めた男は寿司折を放り出して、駆け足で我が家に駆け込んだという。
他にも、夜になると廃ビルから女の泣き声がするという噂があってね、と友人は面白おかしく喋っていた。しかし、私にとってそれはあまり愉快な話ではなかった。
生温い風が吹き、肩口で揃えられた私の髪を弄んだ。前方を見ると、夜の黒よりも濃い廃ビルの影があった。ビルの塀には不審者出没注意と書かれた看板が立てかけられていた。道を挟んだ反対側には、繁茂する木々や団地で周りを囲まれた公園があった。一ヶ月ほど前まで、学校の周辺は主婦や子どもで賑わっていたが、ある日を境にその近辺に住む人の数は減少してしまった。日が沈んだこの時間帯になると、団地の廊下には蛍光灯のまばらな明かりが灯るだけで、人の気配はほとんど感じられない。
公園の前を過ぎようとしたとき、視線の端に何か気になるものを見つけた気がして、はたと止まった。公園に目を向けると、男の子が一人、サッカーボールを壁に向かって蹴り出していた。熱心にサッカーの練習に励むというより、暇を潰すものがボールしか無いからただ遊んでいる、という感じの蹴り方だった。
男の子は短めの黒髪で、白いシャツに常磐色の半ズボンという出で立ちだった。こんな時間にどうしたんだろう、と訝しんでいると、足を止めた少年がこちらに気がついた。晴れやかな顔で右手を差し出して、おいでおいでとこちらに手招きをした。好奇心に駆られた私は彼に近づいてみた。少年は私を見据えたまま「お姉ちゃん」と声をかけると、「もしかして、僕のこと見えるの?」と訊いた。
質問の意味がすぐには飲み込めなかった。どういうこと、と尋ねようと口を開きかけたが、少年は朗らかな笑みを浮かべながら、「実は僕、死んでるんだよね」と言葉を続けた。
「いわゆる幽霊ってやつかな。死んでから毎晩、この公園で遊んでたんだけど、誰も気づいてくれないんだもの、寂しかったんだよね。お姉ちゃんが僕を見つけてくれて助かったよ」
「ちょっと待って」
吐き出す息が多すぎたのだろう、自分が思っていたよりも大きな声が出た。心の中に生まれた不安感が、雨雲のように広がっていくのが分かった。
少年の話は何一つ信じられなかった。映画やテレビドラマなどで見られる幽霊は、肌が青白かったり、足が消失していたり、気味の悪い容貌をしていた。しかし、少年からは不気味な気配が微塵も感じられなかった。彼の目は深海の水が注ぎ込まれているように澄んでいるし、呼吸に合わせて軽く上下する胸が、シャツの上からでも見て取れた。
軽く膝を折り、少年の目を正面から覗き込みながら、「お姉ちゃん、ちょっとまだ信じられないな。君、名前はなんていうの?」と訊いた。
「翔太です。羊に羽って書くほうの翔に、太いで、翔太」
「翔太くんね。私、確かに翔太君のことは見えているけれど、死んでいるとは思えないな」
「うーん、そう言われてもなぁ……」
こめかみの辺りを掻きながら、翔太が考えあぐねいた。そして、くりくりと動く目と大きな口、汗の匂いが、唐突に私の中にあった弟の面影を呼び起こした。数週間前に失踪した弟の顔が翔太の顔に接近し、ぴったりと重なりかけたとき、背中の方から話し声が近づいてきた。
振り返ると、少年が二人で談笑しながら通りを闊歩していた。翔太と同じくらいの年嵩に見え、一人は牛乳瓶の底のような分厚い眼鏡をかけ、もう一人は坊主頭だった。そして二人の顔は私にとって見覚えのあるものだった。会話こそ交わしたことはないが、塾の帰り道で方向を同じにすることが何度かあった二人組だ。
あ、そうだ、と翔太が声を漏らし、駆け出していった。
「どうしたの」
「ちょっと見ていてよ。僕が幽霊だってこと、証明するから」
何をするつもりだろう、と怪しんでいると、翔太は二人の少年の前に出て、大げさに両手を振ってみせた。おーい、と声をかけたり、手を打ち鳴らしているが、少年たちには翔太が全く視界に入っていないようで、二人で会話を続けていた。
「ほらね、見えてないでしょ?」と言いながら、翔太は坊主頭の少年の頭部を撫でていた。短い髪の毛が手のひらに刺さる感触を楽しんでいるようだった。翔太は戯けた表情を浮かべながら、釣り餌に群がる小魚のように少年たちの周りを飛び跳ねていた。
辺りの暗い雰囲気に似合わない、あまりに滑稽な光景に、つい不随意的な笑い声が漏れてしまった。少年たちの話し声が断ち切れて、刺すような視線がこちらに降りかかってきた。熱を孕んだ夜の空気が、鉄板のように固くなった。少年たちは私の目をじっと見つめたまま、じりじりと歩を進めた。そして一定の距離を置くと、脱兎のごとく走り去っていった。
「あーあ、行っちゃった」闇に溶けていく少年たちの背中を眺めながら、翔太は嘆息した。「夜中の公園で笑ってる女の人を見たら、誰だって怖がるに決まっているよ」
「心外だなぁ、笑わせたのは君なのに」
「えー、それって八つ当たりじゃないの?」
当意即妙な翔太の話に、再び胃の腑から笑いがこみ上げてきた。それに同調するように翔太も、屈託のない笑い声を上げた。
少年たちの目に映らず、声も届かなかった翔太は、確かに幽霊なのかもしれなかった。しかし、不思議と恐怖心はなかった。二人の笑い声は湿った空気の中で反響し、増幅して、夏の夜空へ吸い込まれていった。
しばらくして、笑いの余韻が引き始めた頃、実はね、と翔太が語り始めた。
「お姉さんに、お願いがあるんだ」
「なに?」
「あまり、明るい気分になる頼みではないんだけど……」子ども特有の媚びた気配は感じられない、落ち着いた声。
「大丈夫よ。私にできることなら、遠慮なく言って」
「本当に?」翔太の目は深い井戸の底のような黒みを帯び、こちらを真っ直ぐに見据えていた。「あのね……僕の死体を、砂場から掘り出して欲しいんだ」
私は翔太の目を見たまま、糊で固めたように身体を硬直させた。何度か浅い呼吸をして、公園の隅にある砂場に目をやった。常夜灯に照らされた砂場は、暗闇からぼんやりと浮かび上がって見えた。
「わかった、良いよ」夏の暑さがじんわりと、呪いのように皮膚に張り付いていくのが感じられた。
「本当に?」
「うん、掘り出せばいいんだよね。……あなたの、死体を」
翔太の目が一段と大きく開かれ、ありがとうお姉ちゃん、と翔太が言った。幽霊とは思えない、とても無邪気な笑顔を浮かべていた。
翔太がシャベルを二本持って来た。公園の隅にある体育倉庫から持ち出したものらしい。片方のシャベルを私に手渡すと、翔太は砂場を指さした。
「あの砂場の、ちょうど真ん中にいるんだ」
「どうして分かるの?」ずっしりとしたシャベルの重みを腕に感じながら、砂場へと歩を進めた。
「分かるんだから、仕方がないよ」鳥になぜ飛べるのか尋ねるようなものだよ、とも翔太は言った。
砂場に着くと、私は砂場の縁の石にカバンを置き、翔太と一緒に砂を掘り出しにかかった。シャベルが砂に突き刺さるたびに、霜柱を踏みつけるような小気味良い音が響いた。
まるで熱に浮かされるように、私たちは夢中で砂を掘り進めた。砂場の砂は想像していたよりも深く、シャベルを砂に突き立てるたびに額や首元から汗が噴出して、そのたびにハンカチで拭いた。翔太も、細い首を伝う汗をシャツの袖で拭い落としながら、えい、と声を出して砂を掘っていた。
作業の間、私たちの間に会話はほとんど無かった。辺りは厳かな修道院の内部のように静かで、砂を掻き出す音と二人の呼吸音だけが聞こえた。
十分くらい経ち、砂の深さは一メートル三十センチほどになった。もう少し掘ったら休憩をしよう、と考えていると、砂とは異なる物にシャベルが突き刺さる感触が掌に伝わった。細かい霧のような焦燥が指の先から沸き立ち、身体全体に広がった。慌てて砂を掻き分けてみると、スイカに似た形の物体が汚れた布に包まれて出てきた。
「それだ!」穴の周辺をシャベルで固めていた翔太が叫んだ。「それが僕だよ、間違いない!」
スイカ形のそれの周りを少し堀ると、人間の肩のような突起が見えてきた。タールのように粘つく唾液を飲み込み、手にしていたシャベルを置くと、私は布に付いた砂を丁寧に払い、布を掴んだ。上方向に力を加えると、砂に埋もれていた布が剥ぎ取られた。饐えた臭いが湧き上がり、胃が喉元までせり上がってくるような嘔吐感を覚えた。私が掘り出しのは、どす黒く変色し、毛髪が抜け落ちて、腐敗が進んだ子どもの死体だった。そして、私はこの子どもに見覚えがあった。両目が潰れ、唇は爛れていたが、この子は失踪していた弟だと直感で分かった。
どうして弟がこんなところにいるのだろう。弟を手に抱えながら当惑していると、頭上から翔太の声が落ちてきた。
「二人で仲良く寝てろよ、姉ちゃん」
脳天に衝撃を受けて、私は顔から砂地に倒れこんだ。目の裏で火花が散って、鉄臭い血の匂いがした。どうやらシャベルで頭を殴られたらしい。身体を起こそうとしたが、視界がぐるぐると回転し、立ち上がることができなかった。後頭部が焼けるように熱く、皮膚の裏まで冷や汗をかいていた。気持ちを落ち着けようと深呼吸をしてみたが、弟の腐臭が胃の腑を締めあげて、私は発作的に激しく嘔吐した。吐瀉物と血が口内に広がり、息を切らした金魚のように口がひくひくと痙攣した。段々と薄れていく意識の中で、私は視界の端に三人の少年を捕らえた。それはシャベルを持って微笑する翔太と、先ほど私と目を合わせて逃げ出した、二人組の少年だった。
「今回は楽勝だったな」計画を成し遂げた充足感を語尾に滲ませながら、翔太が言った。「こんなにあっさりと事が進むとは思わなかったぜ」
本当だな、と坊主頭の少年が笑い、「お前が幽霊だってすぐに信じたよ、あの女。高校生にもなって、今どきこんなオカルト信じるかね、普通」
翔太の演技が良かったんだよ、と眼鏡の少年が言葉を続け、「俺、途中で笑いそうになっちゃったよ、翔太がこいつの頭を撫でているときに。翔太が見えないっていう体でこっちは演じてるから、じろじろ見るわけにもいかないし……」
「悪かった、あれは少しやり過ぎたよ。何だか楽しくなってきちゃってさ」
「まあ、良いじゃねーか。ミッションは成功したんだし……」坊主頭がシャベルを足元に刺し、大きく息を吐いた。「よし、こんなもんだろ」
砂場は元通りに埋め立てられていた。表面を綺麗に慣らすため、三人は砂場の上に立ち、両足を強く踏みしめた。
「次のターゲット、どうする?」無意識のうちに口ずさんだ鼻歌のような軽い口調で、翔太が言った。
「あのおっさんで良いんじゃない。ほら、毎晩あの通りを歩いてる禿頭のサラリーマン」シャツの袖で汗を拭いつつ、眼鏡が言った。「俺たちの遊びが大人でも通用するか、試してみようよ」
「それ良いね。じゃあ来週、今日と同じ時間にやろうか」
笑みを浮かべた少年たちはしっかりと足場を踏み固めると、シャベルを手に公園の体育倉庫へ向かおうとした。突然、三人の足首に鋭い痛みが走った。慌てて下を見ると、砂場から伸びた手が少年たちの足を掴み、爪を食い込ませていた。手は干からびて細くなったものと、自然薯みたいにすべすべした女性のものがあり、四本の手が鎖のように彼らの足に食らいついた。絶叫した少年たちは手にしていたシャベルを思い切り手に突き立ててみた。シャベルの先端が皮膚に食い込む感触はあったが、少年を捕らえた手の力はますます強くなり、彼らはずるずると砂場の中へ引きずり込まれていった。少年の骨が軋み、枯れ枝を折るような音が鳴ると、あまりの痛みに彼らは猿のように絶叫し、失禁した。這いつくばるような体勢になった少年たちは、地面に爪を立てて抵抗した。しかし、足首が砂場の中に入り込み、少年たちの身体が絞り上げられた雑巾のようになると、三人は砂の中へと消えていき、重い静寂が公園に覆い被さった。
老人斑に似た染みが地面にできた。染みはあちこちで生まれ、やがて猛烈な音を伴う強い雨になった。雨は砂場に残った失禁や血の跡を綺麗に洗い流した。公園の砂場にはシャベルとサッカーボールが転がり、常夜灯が仄かに砂場を照らしていた。
「くそ、ついてないな」禿頭のサラリーマンが息を切らして、通りを走っていた。スーツは雨に濡れており、小川を漂う水草のような細い髪の毛が、力なく頭部に張り付いていた。「夜から雨が降るなんて、天気予報で言ってたっけ……」
駅から自宅まで駆けていた男は雨宿りをしようと、近くの公園に足を踏み入れた。サッカーボールやシャベルが転がる砂場の近くに屋根付きのベンチがあり、その下へ急いで駆け込んだ。男は鞄をベンチに置いて、上着を脱ぎ、もう少し経てば雨脚も弱くなるだろう、と空を仰いだ。
「雨、強いなぁ」
自分の左側から突然声がして、サラリーマンは慌てて声の方に身体ごと向けた。心臓にそっと氷塊を当てられたような驚きだった。
制服姿の女の子が立っていた。いつからそこにいたのか、男には見当もつかなかった。少女は虚空をじっと見つめており、肩の辺りで切られた黒髪や制服は全く濡れていなかった。
「……止まないなぁ、雨」
少女に語りかえるようでもあり、独り言のようでもある、曖昧な投げかけだった。
「え?」少女がサラリーマンの顔を見据えて言った。
「あ、いや、雨が止まないな、と思ってね」射抜くような少女の視線に戸惑い、語調が早くなる。
「おじさん、私のことが見えるんですか?」
繊維質の硬い肉を飲み込むように、少女の問いが喉元でつかえた。からかわれているのだろうか。それともこの子は、頭の歯車からネジがいくつか外れているのだろうか。男が適切な返答の言葉を探していると、少女は笑顔で嘆願してきた。笑顔の仮面を被せたような、どこか作り物めいた微笑みだった。
「ねえ、私のお願いを聞いてくれませんか? 私の弟とその友達を、掘り出してほしいんですけど……」
<了>
その建物は3.72±0.81×10^1軒
行きつけの居酒屋が先日、息を引き取った。
4月の末、仕事帰りに一杯飲もうと店に立ち寄ると明かりが消えていた。定休日だっただろうか、と不審に思って扉の前の張り紙に目をやると、「しばらくお店をお休みします」と書かれていた。
この居酒屋は店主の男性一人で成り立っていた。あのマスター、体調を崩したのだろうか。後ろ髪を引かれる気持ちでその場を立ち去り、帰路についた。そして5月も半ばを過ぎた頃、店内に明かりが戻り、張り紙は新しいものに代わっていた。そこには「今月いっぱいでお店を畳みます」と記されていた。
店じまいする理由を尋ねる人はいなかった。どうやら田舎に帰らなければならない事情ができたらしい、というのは常連の会話を盗み聞きして知っていた。閉店する日が近づいても、店長は相変わらず笑顔でビールを注いで手頃な肴を作ってくれた。
人間の細胞は3.72±0.81×10^1個あり、10年周期で全て入れ替わるらしい。私は昔から街は一つの生命体であり、林立する家屋は細胞のようだと思っていた。古い建物は取り壊されて、新しいビルが建つ。ボロボロのアパートが潰れて、立派な外装のマンションができる。駐車場が広がり、コンビニが増えて、撤去された更地の前に何が建っていたのか、もはや思い出せなくなった自分を発見する。
指の隙間から砂が流れ落ちるように日々が過ぎていき、そのたびに町はよそよそしくなり、私は息苦しさを覚える。馴染みの店が消失し、ふいに知らない店が顔を覗かせ、面食らったりする。私は絶えず変化する町に追いつこうと駆けるけれど、その脚力には歴然とした差があり、その距離感が固いロープになり、私の首をゆっくりと締め上げていく。
それでもたまに未知の店に足を踏み入れてみる。駅前でひっそりと営まれているワインバル、ランチの美味い定食屋、路地を抜けた先にあるラーメン屋……。新しい細胞に出会うたび、私は肺に新鮮な酸素を取り入れて、安堵感を得るのだった。
行きつけの居酒屋はもぬけの殻になり、夜になっても店の明かりが灯ることはなくなった。もしも輪廻転生があるのならば、笑顔の似合う店主のいる、ビールの美味しい店が新たに建つことを、私は切に願う。
群青日和 2
※前回までの話の続きになります。
コンクリートの裂け目から雑草が繁茂するマンション。その脇を黄色いボートがゆっくりと通過していく。突き当たりにある丁字路を右に曲がると、片側ニ車線の広い市道に出る。この道を九百メートルほど直進すると、左手に学校の正門が見える。
「名前、どうしようか」
ユカリが飲料水――貯蓄した雨水を煮沸したもの――の入った水筒を鞄から取り出していると、アスカが訊いた。
「名前?」
「ほら、名は体を表すって言うでしょう? この子にも名前が必要だと思うの」
君もそう思うよね、と笑みを浮かべながらアスカが猫に尋ねた。猫は勤勉な城兵のように、前方を見つめていた。
名前か、とユカリは心の中で囁いた。何かを名付けた経験が無い彼女にとって、それは特別な儀式のように思えた。
「アスカはもう決めてるの?」水筒を傾け、口腔内を潤すように水を飲む。
「うーん、いくつか考えてはいるんだけど……」指先で前歯を何度か叩きながら、脳内で名前を選り抜く。「オコゲとか、どう?」
ユカリは飲みかけていた水を思わず吹き出しそうになった。
「ちょっと安直じゃない?」口の端にからかいの笑みを仮止めして、ユカリが言い放った。「身体が黒いからオコゲって……」
「そうかなぁ、愛嬌のある名前だと思ったんだけど」くじ引きで一等を引き当てられなかった子どもの表情で、アスカが呟いた。「スミスミのほうが良かったかな?」
五十歩百歩だよ、とユカリが言って、オールを漕ぐ力を強めた。アスカが水底に突き立てるようにオールを握り、微調整してボートを右折させると、照りつける鬱金色の光を受けて、水の道が真っ直ぐに伸びていた。道の左側には巨大なアルマジロを思わせる小高い丘があり、右側には鉄骨の建物や住宅の屋根が広がっていた。
水に沈む前、この道は緩やかな上り坂だった。しかし、水上で生活する彼女たちにとって、土地の高低差はあまり重要な事柄ではなかった。むしろ気を配らなければならないのは、水流と建物の崩壊具合だった。地面に穴が空いている場所では水の流れが激しく、ボートの操作が困難になるし、倒壊した建物の脇を通るときは、崩れたコンクリート片などが降ってくる危険性があった。
「ユカリちゃんは思いついてる? この子の名前」
「候補は何個かあるよ」枝に付いた枯れ葉が落ちるような、さり気ない嘘。猫の瞳を見たとき、ユカリの頭に浮かんだ名前は一つだけだった。
「どんなの?」
「……アクア。この猫、目が青くて綺麗だし、チャーミングだと思って……」気恥ずかしさが血流を加速させ、語尾が少し早口になる。
アクア、と小声でアスカが復唱した。上質な肉を何度も咀嚼して旨味を確かめるように、頭の中で言葉の意味を反芻する。そしてだんだんと口角が上がり、「良いね、すごく可愛い」と屈託のない笑顔で応えた。
「よし、君は今日からアクアちゃんだ」と言って、アスカが猫の頭を撫でた。自身の正式な名前が決定したというのに、猫は相変わらず前を見つめていた。
「気に入っていないのかな」声に不安の色を滲ませて、ユカリが言った。
「不服申立てが無いんだから、平気だよ。それに、これくらいクールなほうが船長って感じがするね。船長は毅然としていなきゃ」
ボートの二メートル前で、新生児ほどの大きさの魚が跳ねた。銀色の魚体とヒレの形から、シーバスの一種だろうと二人は判断した。ドプンという音が辺りに響き、飛沫が上がって、フラクタル幾何の模様が水面に広がった。
突然、地の底から湧き上がってくるような叫び声。アクアが左手の信号機に向けて、鳴き声を上げた。懇願するように眉を下げ、二人の顔を交互に見据えながら、しきりに唸っている。
「どうしたの、アクア……」驚愕の仮面の下で、ユカリが呟く。
「あっちに行きたいみたいだね」アクアの唸る方向に指をさした。海水と雨風に晒された信号機は銅色に錆びており、レンズには幾筋ものヒビが入っている。
「何かあるのかな」
「信号機の根本に、お宝が眠っているのかも」
「まさか……」ユカリが冗談めかして笑ったが、語尾が微かに震えている。「あったとしても、なまこか貝ぐらいでしょ。私には、製菓会社にあった山積みのお菓子のほうが、何倍も魅力的だな」
アクアの鳴き声に導かれて、二人はボートを信号機の側に寄せた。アスカが信号機の柱を掌で叩き、やっぱり普通の信号機だね、と嘆息した。そこへ爆竹の炸裂する音が響き渡った。道を挟んだ向かい側にある雑居ビルの壁が、牛乳に浸したビスケットのように脆く崩れ、先ほど魚が跳ねた辺りに落下して飛沫を上げた。
「進むよ」咄嗟の判断で、ユカリがボートを漕ぎ出した。
「オッケー」アスカが周囲の建物に気を配りつつ、オールを力強く握り、ボートを推進させた。
轟音に比べて、倒壊の規模は小さかった。隣家を巻き込んで崩れるようなことは無く、雑居ビルの四階部分が海の底に沈んだだけで済んだ。
「あー、驚いた」額に浮かんだ汗を手で拭いながら、アスカが言った。
「あのまま真っ直ぐに進んでいたら、危なかったかもね」ユカリが背後を振り返りながら言った。「アクアが叫んでくれて良かった……」
「教えてくれてありがとうね、アクア」
猫は小さな欠伸をして、背中を反らせながら身体を伸ばした。自分の功績を誇示しているようでもあり、褒められたことによるはにかみを誤魔化しているようでもあった。
建物の倒壊で波打っていた水面は、いつの間にかまた穏やかになっていた。太陽の傾き具合から、あと数十分ほどでクラスメイトが登校して、教室に集まり始める頃だと二人は思った。アクアの背中を何度か撫でて、息を整えると、二人は再びボートを走らせて学校へ向かった。
<了>
【2015年冬アニメ】私的アニソン精選
こんばんは、ヘイヘイヘイガールどんな時もくじけずにがんばりましょう、エビフライダーです。
1話でOPを省いてしまう作品が今期は多く、投稿が少し遅くなりました。作品はともかく、アニソンだけは全部聴くのがモットー。
それではいつものように、個人的に気に入ったOP、EDを5曲、列挙していきます。
・Genesis / STEREO DIVE FOUNDATION
『Dimension W』OP
梅津OPや気怠げダンスはもちろん、ハイセンスなデジタルサウンドがとにかくカッコ良い。そういえばアニメ『GANGSTA.』でもOP楽曲を担当していたような気がします。
・WASTELANDERS / 佐咲紗花
『少女たちは荒野を目指す』OP
佐咲紗花は何となくバラードシンガーのイメージだったけど、アップテンポな曲もいけるんだなと感心した曲。サビの高音の伸びが素敵です。
・Re:Re / ASIAN KUNG-FU GENERATION
『僕だけがいない街』OP
アニメ「僕だけがいない街」第2弾PV | 2016/1/7より放送
ほとんど思い出補正というか、自分の青春の曲なので選びました。イントロのアレンジがライブバージョンになっているのが憎い。
薄ら氷心中 / 林原めぐみ
『昭和元禄落語心中』OP
ジャズのような、昭和歌謡のような不思議な曲。林原めぐみのウィスパーな歌い方も相まってどこかノスタルジーを感じさせます。
毛根を全部引っこ抜いて〜♪ 楽器が各々遊んでいて、中毒性のある電子音からZAQ先生節が光る。
以上、5曲をピックアップしてみました。他にもSUSHI POLICEの主題歌やハルチカのOPも良曲です。
それではみなさん、良いアニソンライフを。
【2015年秋アニメ】完走アニメ感想録
こんばんは、パンドラの箱の中で最後に残っていた希望、の代わりに入っていたエビフライダーです。
もういくつ寝るとお正月という時節ですが、秋アニメがぼちぼち最終回を迎えました。
【2015年秋アニメ完走作品】
新妹魔王
すべF
終物語
小森さん
ワンパンマン
ゆるゆり三期
緋弾のアリアAA
櫻子さん
庶民サンプル
うしおととら
ハッカドール
巨人中学校
ヴァルキリードライヴ
おそ松さん
ごちうさ二期
— ウラフライダー (@uraflider) December 24, 2015
まずは私的2015年秋アニメ、トップ5をどうぞ。
―ランキング―
1位:俺がお嬢様学校に「庶民サンプル」としてゲッツされた件
2位:ゆるゆり さん☆ハイ!
3位:ハッカドール THE あにめ〜しょん
4位:ヴァルキリードライブ マーメイド
5位:おそ松さん
以下、視聴した作品について感想などをチラホラと書いていきます。
―感想―
♢新妹魔王の契約者 BURST
規制も含めて楽しめる作品でした。物語全体はシリアス寄りで、戦闘シーンも緊迫感があるのだけど、それらを凌駕する猥褻シーンのオンパレード。10話という短さのためか、後半は展開が雑で駆け足になっていたけれど、終始突っ込みどころがあって楽しめました。
原作既読。1つの事件にたっぷり11話を費やすのは、どうしても間延びした印象を受ける。しかし、真賀田四季という天才の孤独が綺麗に描かれていたし、最終話の茶目っ気も魅力的。犀川先生の目薬シーンやユニークなシャツの絵も良いアクセントになっていました。
♢終物語
物語シリーズは原作未読、アニメも飛び飛びでしか観ていないのだけど、こんなに暗いストーリーだったっけ、と首をひねりたくなる。とにかく陰鬱で話全体の空気が重い。神原駿河がいなかったら最後まで視聴できていたかどうかも怪しい。
♢小森さんは断れない!
主人公のパイオツがカイデーだったことしか記憶にないです。時間が短すぎてストーリーもあってないようなものだったけど、小森さんと男の子との関係がどうなっていくのか、今後が気になるところ。
♢ワンパンマン
1話の地底人との戦闘シーンだけ5回くらい観た。圧倒的な作画と人気声優ばかりのキャスティングに、1話観るたびに重厚な映画を堪能したような気持ちにさせられる。ただ、「このキャラとこの声質はミスマッチだなぁ」と思う箇所もあり少し引っかかった。
♢ゆるゆり さん☆ハイ!
1期や2期よりも断然面白かった。過剰なあかり弄りや顔芸が減り、百合成分とギャグのキレが増していて、観ていて和やかな気持ちになる良作でした。OPに止め絵が多いことが残念だったけど、概ね満足です。あと8話のサイレントパートだけ繰り返し観るのが日課になりつつあります。
♢緋弾のアリアAA
悪い意味でクソアニメでした。BGMが戦闘シーンにそぐわなかったり、謎のロボが出てきたりとダメな箇所は枚挙に暇がないけれど、特に5話の自転車回が噴飯物で残念でした。早く本筋の二期来てくれー!
♢櫻子さんの足元には死体が埋まっている
あまり目立たない作品ですが、毎回ワクワクしながら観ていました。正太郎と櫻子さんが毎話事件を解決しつつ、大きな流れとして二人の関係性が紐解かれていくという流れは確かに地味ではあったけれど、美しい背景や櫻子さんのキャラクターに惹かれて飽きること無く観られました。それにしても、結局花房の正体はなんだったのだろうか……
♢俺がお嬢様学校に「庶民サンプル」としてゲッツ♥された件
今までとは全く違う次元から発信されたアニメだと感じました。 最初はただのハーレムラノベアニメだと冷ややかな面持ちで視聴していたのですが、回を増すごとに今作の特殊さに気付き、最終話では感動しながら大笑いするという矛盾を孕んだ気持ちにさせられました。
おそらくどんなに言葉を費やしても、私は庶民サンプルの面白さを説明することはできないでしょう。どのジャンルにも上手く収まらない、唯一無二のアニメ。とにかく多面的で、パンキッシュで、味わい深い作品でした。
可もなく不可もなく、つまらなくはないけれど特筆するようなインパクトも無い作品でした。後半少し展開が早かったのが気になったけど、作画も声も及第点は取れてました。
♢ハッカドール THE あにめ〜しょん
とにかくテンポが良くて心底楽しめました。パロディはキレッキレだし、起承転結はしっかりしているし、OPは『未確認で進行形』を思わせる、女の子の可愛さを凝縮した仕上がりになっていていました。
♢進撃!巨人中学校
15分アニメだったら割りと楽しめるのだけど、後半の声優パートが蛇足。アニメ自体は、本家の進撃の巨人をなぞりつつ、エレンたちの日常をユーモアたっぷりに描いていて面白かったです。
♢ヴァルキリードライヴ マーメイド
視聴するたびに偏差値が下がる音が聞こえてきそうなアニメでした。女の子が絶頂すると武器に変化するという設定にまず驚愕しましたが、観ていくとそのシリアスな展開とバトルシーンに自然と惹きこまれていました。EDの電波ソングも個人的に好みです。
♢おそ松さん
すっかり腐女子の玩具にされた感のある今作ですが、ブラックユーモアもパロディもレベルが高い。おそ松さんではほぼ全てのキャラがボケにもツッコミにも回れるし、行動がフリーダムなので楽しいです。来年から二期もあるそうなので、引き続き観ていきます。
一期視聴済み。終始ふわふわとした空気が漂っているアニメでした。9話での佐倉綾音さんの絶叫もグッド。ただしギャグに関しては、ゆるゆり等他作品よりも多少パンチが無くて退屈。まあほどほどの癒やし効果は得られたような気がします。
秋アニメ、全話視聴した作品は15個でした。途中で切ってしまった他作品はごめんなさい。
前期と比べると数は減りましたが、今回はなかなか頭のおかしいパンキッシュな作品が多かったような気がします。特に庶民サンプル、新妹魔王、ヴァルキリードライヴの作り出す魔のトライアングルに、私はすっかり飲み込まれ、魅了されてしまいました。
来年から始まる冬アニメにも期待しつつ、年を越そうと思います。
京都旅行は足が大事
京都へ旅行するたびに「やっぱり便利だなぁ」と痛感するものが2つあり、それはルームシューズとタクシーである。
1. ルームシューズ
京都のお寺を参拝していると、ただ境内を散策するだけではなく、例えば靴を脱いで本堂に上がり、美しい庭園を眺める、といった機会を得ることがある。綺麗な枯山水、色鮮やかな紅葉、澄み切った秋の空、どれも筆舌に尽くしがたいほど素晴らしいが、ここでのっぴきならない問題が一つ浮上する。それは、板張りの寺の床から立ち上る冷気である。
冷たい床に長時間足を付けていると、私のような胃腸の弱い人間はすぐに体調が悪くなる。これでは綺麗な京都の景色を堪能できないし、美味しい京料理も味わえなくなる。胃腸の良し悪しは旅行の良し悪しに直結するのである。
そこで役に立つのがルームシューズである。種類は何でも良いけれど、なるべく持ち運びやすくて暖かいものが好ましい。私はAmazonで2000円ほどで買ったスリッパのようなものを愛用していている。お寺巡りなどをする方はぜひ持って行って欲しい。
2. タクシー
これは京都のタクシー運転手から聞いたのだけど、京都の街を回るときはタクシーの乗り捨てが良いらしい。別にタクシーの運ちゃんだから勧めているわけではなく、単純に紅葉シーズンではバスが使い物にならないし、京都は個人タクシーが多く、値段がさほど高くならないからだ。
これは体感として私も思っていたことで、特に有名な観光地から駅に向かうバスは大変混雑している。臨時便などで本数は増やしているけれど、待ち人が長蛇の列を成しているし、そもそもバスは一杯で乗ることができない。
その点、タクシーは台数も多いし、目的地へ直接向かってくれる。電話で呼ぶのも良いが、有名な寺院などで待っていれば、お客を乗せたタクシーがどんどん停まってくれるので、割りとすぐに捕まえられる。そんなわけで、京都旅行ではタクシーの乗り捨てがオススメである。
あ、そもそも何故私が急に京都旅行のことを話しているか知らない人もいるかもしれない。11月15日から京都へ行っていて、そこで思ったのが先の2つの便利アイテムだったのである。少しでも参考になれば幸いである。
蛇足ですが、京都旅行の写真をインスタに大量にアップしたので、暇な時にでも見て下さい。
口先番長VSというアプリと単語帳についての備忘録 その3
こんばんは、 乳頭温泉と下呂温泉の名付け親ことエビフライダーです。
もう何ヶ月も前のことになりますが、以前「口先番長VS」というアプリについてこのような記事を書きました。
11月現在、口先番長VSはアプデを重ねて新たな装備が登場したり、新機能*1が追加されるなど、ますます面白くなっています。同様に、私の装備や階級も以前とは様変わりしており、上記の記事にあるよな単語はもうほとんど使っていません。
なので、これから私が今使っている単語帳の中身を備忘録として載せていくわけですが、たぶん数ヶ月経ったら(なんでこんなの使ってたんだろう…)となるかもしれません。まあそのあたりはご容赦下さい。ちなみに「ひらがな/その他強化+75%」という装備に合う単語ばかりを登録しています。
♢「い」
・「いしわたり淳治」
スーパーカーのギタリスト。ひらがなは半分ほどだけど、わりとよく光る。あと"し"に繋がるので便利。
・「いろはにほへと」
いろは順の始めの7音。登録単語の中で唯一の中単語。"ろ"や"に"、"へ"などの余分な言葉を使ってくれる。
・「ESCJ」
電力系統利用協議会。使用回数トップ。点数は普通だけど打ちやすい。
・「EZweb絵文字」
auの絵文字。かなり点数も高いし、"し"に繋がってくれる。
♢「う」「か」
・「うみべの女の子」
浅野いにおの成人向け漫画。面倒な"へ"や"の"を処理してくれる。
・「裏DVD」
エッチなDVD。昔から使っている単語で愛着がある。
・「かでんつぁCODA」
MALINOの4コマ漫画。あんまり光らないけど得点は高め。
・「かぶっちゃや〜YO!」
ぐるナイのコーナーの一つ。よく光るし得点も高い。
・「♪カローラⅡにのって」
小沢健二の楽曲。カタカナ混じってるけど無印時代からよく使っていた言葉で気に入ってる。
・「がぁーでぃあんHearts」
天津冴の漫画作品。かなり得点が高いし個人的に打ちやすくて良い。
♢「き」
・「君は1000%」
1986オメガトライブの楽曲。ずいぶん長いこと使ってる単語。
・「きゃりーぱみゅぱみゅ」
日本の女性モデル、歌手。手頃な10文字単語で入力しやすい。
・「Candy☆Boy」
AICによる短編Webアニメ。よく光る、得点高い、打ちやすいと三拍子揃った単語。
・「QあんどA」
あだち充による漫画。点数は低いけど抜群に光る。
・「QR法」
QR分解によって固有値を求める方法。最近登録したやつ。似たような単語に「QR分解」「QRソング」があるけど、前者はあまり光らないし後者は9文字単語強化の人と被るのでコチラで。
♢「く」「こ」「し」
・「草の根BBS」
個人・少人数のグループで運営されるBBS。"の"や"ね"を処理してくれる10文字単語。
・「こりゃめでてーな」
吉本所属のお笑いコンビ。頭文字が"こ"でこれが光らないときは大抵「こんばんは」に繋げてる。
・「しぇいけんBABY!」
フジテレビのドラマ。"へ"を使ってくれる。たまに9文字単語強化の人と被って申し訳なくなる。
・「JRA勢」
日本中央競馬会に所属する馬。"あ"の行の言葉を3つ使うのでやや光りづらい。
・「JITA」
日本産業技術振興協会。入力が楽だし得点が高め。
・「JA全中」
全国農業協同組合中央会。似たような単語に「JA全農」もある。
・「JAW」
全日本自動車産業労働組合総連合会。「JWA」を登録してる人もいる。
・「JPRS」「JPX」
日本レジストリサービスと日本取引所グループ。そんなに光らないけど得点は高め。
・「情熱BALLAD」
コタニキンヤの楽曲。10000点超え単語その1。"ね"を消費するので良い。
・「GVHD」
移植片対宿主病。10000点超え単語その2。その後"い"に繋がるので重宝する。
♢「た」「ち」「と」
・「探偵はBARにいる」
日本のハードボイルド映画。かなり長く使ってる単語で愛着がある。
・「ちゃんねるW」
えぬえけいの漫画。最近登録した単語で、"ね"や"わ"を処理してくれる。
・「ちょぼらうにょぽみ」
女性漫画家。あんまり光らないけど得点は高い。
・「どんちゃん騒ぎ」
酒を飲んで賑やかに騒ぐこと。得点はあまり高くないけど、何となく登録してる。
以上、30単語です。基本的にひらがな単語は他のカタカナ、漢字に比べて不憫で、登録されてる単語がそもそも少ないです。そのせいかひらがな装備の人をまずあまり見なくて、個人的にはそれが少し悲しかったりします。
ですが逆に嬉しいこともあります。ひらがな耐性の服を装備している人が少ないので、登録単語を打つとだいたい通る、ということです。少しでもひらがな単語使いが増えることを、私は切に願います。
あと、単語帳には登録していませんが、私が発見した使えそうなひらがな/その他強化の単語を適当に羅列しておきたいと思います。それではみなさん、よい口先番長ライフを!
・GちょこMarble
・R2D2
・流田PPP
・JNTA
・じゃんがら念仏
・なめくじ逃げ〜!逃げ〜!
・みんなのGOLF4
・かいこう七〇〇〇Ⅱ
・楽あれば苦あり
・ちょっとまってて
・うらら花高坂
・4000本安打
・もったいないおばけ
*1:「決闘」というモードのことで、部屋の数字を入力して特定の相手と対戦することができる